以下は、『月刊現代宗教』1997年7月8月号に掲載された、「ハンビット大学宣教会」の異端嫌疑の記事の転載である。ハンビット大学宣教会は、2006年9月現在の「韓国異端団体リスト」第127番として登録されている。
http://www.church-heresy.com/html/heresy.htm
ハンビット大学宣教会(一名JFC、代表 長寿陣牧師) 1997年
長寿陣とはだれか? その隠された正体 長氏は、統一教会財団が設立した鮮文大学神学大学で海外宣教学担当教授として在職中であることが確認されたことで、彼が統一教会の核心人物であるという事実を、疑念の余地なく現わした。長氏は、鮮文大学の創立期時代、すなわち、成和神学校が設立された当時の1986年9月から、企画室長学生担当を引き受けて、学校行政の全般的な運営の総責任を負って来たし、同時に、学生たちに神学科行政学を教える教授職まで兼ねて来た。また彼は、建国大行政学科在学時代に、統一教会の学生層浸透団体である「全国大学生原理研究会」(CARP)の学舎長を歴任したし、偽装キリスト教団体である「国際基督学生連合会」(ICSA)の創設メンバーとして活動した人物で、文鮮明が直接司式する合同結婚式を挙げるなど、統一教会内で中枢的な役目を負って来た、いわば骨髄中の骨髄の信者としての面貌を取り揃えている。
嘘をつく道徳的不感症 長氏は、このような事実を現JFC(Jesus Family Center)の所属会員たちに、徹底的に隠して来た。1994年に宣教会を創立した時期に、相変らず長氏は鮮文大学教授として在職中であったにもかかわらず、大学生や青年会員たちには、同じ天安に所在した檀国大学行政学科教授であると、嘘をついていた。 そして、自分が韓国神学大学院、延世神学大学院出身であるという点を先に立たせて、「改革派の正統神学を学んだ極めて正常な牧師」であるという論理でもって、会員たちを安心させた。また、正統から外れた教理や、非常識的な宣教会の運営に対して、疑わしい視線を送る外部の人たちにも、「進歩的な自由主義神学の一面であるだけだ」と反論しながら、神学的な正当性を主張して来た。しかし、改革派の神学校を出たことは、統一教会の宣教のための一つの偽装戦略であるに過ぎないということが、続く偽りの行為を通じて明らかにされている。
不法で虚偽の牧師按手 長氏が受けたという牧師按手も、実際は不法で虚偽の按手だったことがわかってきている。長氏に按手を与えた教団は、大韓イエス教長老会合同福音総会(チャンソンホ総会長)であり、教団関係者たちが瑞草洞宣教会本部まで直接尋ねて来て、長寿陣氏と一緒に宣教会の学生たちにまで集団按手式を行ったが、この学生たちはみな、一般大学に在学中の者や休学中の者、すなわち、神学大学の入口にさえ立ったことのない平凡な会員たちだった。この日に按手を受けた30人余りは、年齢23才以上。自分たちのグループ内で長寿陣氏が教育する段階別の聖書講義を修了した幹事たちで、事実上、宣教会のリーダー全員だ。それでも彼らは書類上、正規の神学過程を終えたことにされていたが、これは長氏のすぐれた偽装の手腕が生んだ作品だった。すなわち長氏は、教団の按手条件を満たすために、フィリピンのアジア聖書学院(Asia Bible College、ABC、長寿陣氏が設立準備中の神学校)の卒業証書を虚偽で操作して発給した。そして株式会社セヒャングの支社に違いないと思われる全国四十数か所のセンターを巧みに教会に偽装して、教団に所属させた。この日に按手を受けたという某幹事(25歳、男)は、「牧師按手式が行われるという通知が来たのは、一週間前だった。長牧師は、うちの中に牧師が多ければ多い程よいと、はなはだしくは女性幹事も按手を受けるようにした。そして、その場で牧師、宣教師、伝道師が任命された。率直に言うと、荒唐無稽だった。私たちは、按手式の準備のために、急いで使徒信条を覚えたし、洗礼式の稽古もした。このようにして、幹事たちに必要な名刺を作ったのだ」と言いながら、当時の状況を説明した。
一方、長氏は、牧師按手を受ける前から、こんな便法を動員して来た。長氏は国内では所属教団がなければ異端えせの嫌疑を受けるという点を深く考えて、正体不明の団体というイメージを払拭するために、有名教団の名称を盗用した。長氏は、宣教会の幹事たちに、「外部活動の時に、人々が教団名を聞いてきたら、大韓イエス教長老会合同(または統合)と教団名を言うよう、申し合わせなさい」と直接指導した。こんな非道徳的な行動を、「信仰の知恵と同時に融通性」というふうに合理化して、幼い幹事と会員たちに注入したのである。
「長牧師は、これに対する根拠が聖書にあると言った。それは、旧約のアブラハムの話である。アブラハムが、アビレメクに、自分の妻サラを妹だと欺いて、命を救ったことを例に引いて、アブラハムの知恵を私たちも模範としなければならない、というふうに言った」という一女性幹事 (23歳)の言葉は、長氏がいかに聖書を自分勝手に解釈しているかを、端的に示している。
新家族共同体 JFC(Jesus Family Center) それだけではない。この間、長氏は記者とのインタビューでも、偽装する態度をずっと一貫した。長氏は、JFCが「Jesus Family Center」という意味の略語であるのを欺いて、「Jesus Fellowship Center」と答えることで、名称を釈然とせずに隠そうとしていることを露呈した。長氏が宣教会の会員たちに、親中心の家族概念を破って、キリスト中心の新しい家族共同体の大切さを重視させて来たことから見ても、長氏が名称の意味を虚偽で答えたのは、「Family」に焦点を置く自分の意図を隠すためであることがわかる。実際に長氏は会員たちに、「JFC」という名称を使わないように、と念を押したというのに、「時が来れば、この名前を使うことができる」と言って、代わりに「韓国大学福音化宣教会」(CEF)という名称を使うよう指示した。これ対して会員たちは、「JFC」という名前が外部に知られれば、自分たちの存在が表に出ることになるのを恐れたようだ。その証拠に、「韓国大学福音化宣教会という名前を使うと言いながら、同時に長牧師が代表ではなく、全国各センターをセンター長(幹事)らが直接開拓して責任を負う体制に変えようとしたことに現われている」と長氏は言った。しかし、長寿陣氏が地域センターの会員たちに話して約束したことは、全然守られていなくて、事実上現在の運営状態は、名前が変わっただけで以前と少しも変わることがなく、ただ危機を兔るための臨機応変の措置だったことを立証している。
また、長氏の「新家族」という概念は、キリスト中心の家族共同体として効果的な宣教活動を行う、という宗教的意味よりは、株式会社セヒャングの成功的な経済活動の方便として利用されていて、学生たちの家出事例の原因を作っているだけだ。長氏は普段、会員たちにこのような共同体の意識を鼓舞して、「もっと大きい家族を作ろうとすれば、小さな家族を敢然と諦めるべきである。アブラハムが父祖の家を発ったように、私たちも血縁に関わるすべてを切らなければならない」と説き、会員たちの家出事例の原因を間接的に作ってきた。このような一連の行動は、長氏が十何年も統一教会に携わった実績があるという点を考慮するなら、このごろになって「家庭連合」を主張している統一教会から発想を受け継いだのではないかと言う疑惑を催さざるを得ない。
企業を背負って宗教勢力を拡張 一部大学ではキリスト教サークルとして正式登録までされている「ハンビット大学宣教会」(一名JFC、代表 長寿陣牧師)が、その不明である正体のゆえに、疑問を抱かれている。いわゆる大学宣教会を標榜しているこの団体は、所属会員を企業に引き入れるとか、統一教会やJMS(摂理)の教理と類似の内容が聖書講義の一部で発見されたりするなど、新しい問題を浮上させている。それだけでなく、この団体の代表である長寿陣牧師は、宣教会が設立される直前まで、統一教会財団が設立した鮮文大学で宣教学教授に在職していたし、1980年後半には、同校で教務課長を歴任するなど、統一教会内部と深く関係を結んで来た前歴が明かされて、この団体が統一教会と関連があるのではないかという疑惑を増幅させている。長氏は特に、宣教会運営において、自分が代表を務める(株)セヒャング・シルアップ(チョコレート自動販売機販売業)、 J&J(消臭芳香剤販売業)、 SESI(留学斡旋業) (電子会社) などの企業を緊密に連結させ、その過程を通じて、企業を背負った宗教勢力を拡張するという、統一教会の布教方式と一部類似した面を見せている。
会員の中で、幹事たちかのかなりの数は、統一教会と JMS(摂理)に携わった経験を持っているし、 会員を管理して教育する聖書講義の一部で、正統教理から逸脱したこれらの団体の教理を、会員たちへの信仰指導に適用する事例もあって、問題視されている。こんなことで、まだ主体的な思考が確立されない高校生と、単純な信仰観を持った大学生たちを、精神的に混乱させ、度が過ぎた盲信に誘導するなど、副作用を生んでいる状態だ。 約 2年前から本紙に倦まず弛まず送られて来る情報提供及び被害事例の中には、学生たちに対するはなはだしい無賃金労動、搾取、学業の中断、常習的な嘘、家出事例など、逸脱的で反社会的な現象が露呈していて、深刻さを加えている。
先にこの団体は宗教活動と経済活動が厳格に分離しない曖昧な運営を去年末まで続けて来た。 そして、宣教会本来の目的よりは、長牧師の個人企業である (株)セヒャング・シルアップの事業拡張に力を注いで来たことが知られる。長寿陣氏が去る1994年に設立したこの宣教会は、現在80から100人ほどの会員を確保しているが、その大多数は、長牧師が去る1992年に創業した (株)セヒャング・シルアップの正社員やパートタイマーとして働いて来たのだ。そうするうちに、これは宗教をかこつけた事業行為ではないかという一部の批判を払拭するために、今年に入って宣教会の組職を経済チームと伝道チームに分離させて、表面上は宗教部門と事業部門が独立して存在するように見せることで、批判者の口を封じる方便を用意した。長牧師は記者との面談で、この問題に対して、宣教会の会員たちのセヒャング・シルアップでの勤務は、志願者を会社が選抜して雇用するという、正常な会社規則に根拠したものだと言い、宣教会の会員が同時にセヒャング・シルアップの社員である割合は、全体人員の 50% を超えないことを明らかにした。しかしその後確認されたところによれば、現在伝道部門に属している幹事と会員たちは、非公式に(株)セヒャング・シルアップでの経済活動に参加していた。
現在、慶北市センターで要職を引き受けている Aさん(22歳)のノートには、自ら伝道チーム幹事と言いながらも、実際は自動販売機事業拡張のために、相変らず責任の役目を引き受けている事実が記録されていて、こうした事実を立証している。(株)セヒャングの月次目標額を具体的に書いた内容と、目標達成を促して決意した幹事たちの会議記録が明らかに記されるなど、宗教活動と経済活動は無関係だとする主張が事実に反している証拠が、露呈したのだ。
この宣教会の経済活動組職は、代表である長牧師の下に、幹事たちで構成された管理者、 そして、幹事たちの指示を受ける教会員の宣教会組職を、そのまま企業に適用している。幹事たちは、セヒャングに社員として属している場合が大部分で、教会員たちは幹事らの下でパートタイマーとして、長牧師から下逹される指示事項を幹事たちから伝達されて動く。
彼らは、全国各地のビリヤード場やレストハウスなどを事業舞台として、チョコレートの自動販売機を設置し、商品を供給して集金する役目を引き受けている。労動時間は一日平均10時間以上で、平日には放課後から、休日には普通午後1時から夜の12時を過ぎて夜明けまで働く場合が大半だと言う。ところが、過重な労動とは違い、彼らは今までに労動に対する対価として一銭の月給も受けたことがないことが、わかってきている。
現在も集金業務で働いている Aさん(19歳、休学中)は 「はじめは一時間あたり2,500ウォンもらうことになっていたが、 この一年、月給という名義のお金はもらったことがない」と明かした。 Aさんは、牧師様(この団体では長牧師という呼称の代わりに、牧師様という言葉を使う)が、「もうちょっと堪えれば、事業がうまく行って、滞った月給も受けることができるし、外国に留学にも送って、勉強させてあげる」と約束した。その時が来るまで、長牧師様の言葉を信じてずっと仕事をするつもりだった。B君の親も、息子がこれまで一度も自分がした仕事の対価を受けたことがなかったと、同じように述べた。お母さんのCさん(50歳)は、「大学に入学してからすぐに、息子がバイトをして小遣いを儲けるというので、殊勝だなと思って見守っていたが、働くと、夜明けに帰宅するとか、外泊する場合が多かった。毎月給料もらったことを確認しようと思ったけれども、言えば、もじもじして、月給を受けなかったという話ばかり言った」と付け加えた。これに対して、長寿陣牧師は、このような主張の大部分は、組職と幹事たちに不満を持つ会員たちから出たことだと言い、無賃金労動の事実を否認している。しかし問題は、上記の二人がまだ宣教会の活動に積極的に打ち込んでいる熱心な会員たちだという事実だ。
Aさんは現在、この宣教会の仕事のために、家を離れて、教会内で他の学生たちと共同生活しながらセンターを開拓する核心的なメンバーで、B君も集金業務に没頭するために、常習的に家を離れ、学業を中断してしまって、宣教会の活動を絶対視しており、親の心配を買いながらも、どこまでも宣教会の活動に固執している最中だ。特に Aさんの場合、セヒャング・シルアップに反対する親を説得させる過程で、「月給は受けないが、お金が必要な度にもらって使っている」と言って、無賃金労動の事実を一部自認したりした。
彼らは、チーム長である幹事を中心に、2人から4人が一組になって働いている。ソウル本社の場合、良才洞陽文教会の近くに宿泊所を置いて一緒に寝起きし、集金活動をする人々は、機動力のためにワゴン車を利用し、浦項で納品を要請すれば、大田センターに出動して調逹して来たと言う。一日の平均集金額は40から50万ウォンぐらいで、集金すると直ちにソウル良才洞本社に振り込むのが規定であるという。各チームは集金実績が高ければ高いほど、各自の点数も上がって、宣教会の要職を引き受けるようになるとか、海外留学など各種機会に優先的に選抜される特典を享受することができるという。そのためか、会ってみた会員たちは、すぐに月給を受けることができないことに、深刻な問題意識を感じない様子だった。とにかく (株)セヒャングは、長牧師の言葉のように、創立5周年で驚くべき成長を記録している最中だ。このごろの不景気にもかかわらず、この企業が規模をずっと増やすことができたのは、まさに会員たちの無条件の献身が可能としていると見るのは、的外れの推測ではない。
全国を歩き回らなければならない活動の特性のため、集金業務のチームの活動は、他のアルバイトとは違い、会員たちの個人生活がほとんど不可能だと言う。その結果、現在ソウルを含めた各地域センターでは、幹事を含めた会員たちが共同生活をしている。わずかこの間までにしても、ソウル陽文教会には家を出た会員たちが、教会の中に男女老少を区分する仕切りだけ立てておいて、一緒に寝起きしていた。現在は、近隣に宿泊所を別に用意して、教会とは分離したが、まだ全国地域センターと教会を兼ねて不安定な生活をしているところもあり、親たちから怒りの声が出ている。
ここで生活する学生たちは、親に本当のことを言わないとか、一人暮らしをすると嘘を言って独立した人々が多いことが知られている。ソウルで共同生活をした経験があるという一会員は、学生たちの中で、親の正式な許しを得て家を出た割合はどれぐらいなのかという質問に、「ほとんどない」と答えた。彼は「多分、親たちが許してくれたという場合は、会員が嘘をついたからでしょう」と率直に言った。 これに付け加えて、父兄 Dさん(45 歳)は、子の無断家出によってソウル良才洞陽文教会を訪問したことがあるといい、その所で生活する子どもたちの姿は、一様にやつれて青白く、まともに食べることもできなかったように弱っていて、あちこちに無秩序に寝転んでいたり、子どもたちが着ているむさくるしい服を見て、これは正常な所ではないと思った、と当時の心情を打ち明けた。
これ以外にも、親たちは急に変わった子どもたちの態度に対して、この団体に責任があると抗議する声を高めている。子どもたちが専ら親に常習的に嘘をやたらについているし、自分たちの宗教活動の内容をはっきり言わないなど、不健全な宗教団体に見られる特性を揃えているというのだ。高校生の子どもがしばらくこの団体に通ったことがあって、ひとしきり騷動を経験した事があるというEさんは、そんなに善良だった子どもが、ここに通った後から嘘をしょっちゅうつくようになったので、驚いて調べたら、その所の教会の女幹事から指示を受けて取っている行動だったということがわかった。問題の女幹事は、家に電話する度に身分を明らかにしないことは勿論で、「友だち」だと嘘を言うのが頻繁だったし、この団体と関係を結んだ娘も、学校の寮生活に不真面目になって、学業よりも教会活動や聖書講義に重点を置くようになり、このために親と友だちに嘘を言うなど、前例のない行動を見せたと言う。Eさんはこれを怪しく思って、大田某地域にある問題の教会を尋ねたことがあり、建物の外壁に看板もなくて、牧師もなしに、子どもたち同志が集まって、問題の幹事から聖書講義を受けて、日曜の礼拝まで幹事の指導の下で行われていることを見て、これは正常な教会ではないと判断できたと言う。Eさんは、まだ成長期にある学生たちに嘘を教えるこの団体の意図を、到底理解することができないと言い、異端の団体であるのは間違いないと、躊躇することなく述べた。
しかし、これらの反社会的な行動は、これでも終わらず、親の許諾なしに無断で家出するとか、学業に無関心になって、ひたすら宣教活動に没頭する姿としても現われる。息子が二学期の登録料180余万ウォンを持って、頻繁に家出し、学業も中断したまま消息が途絶えたと訴えて来た父兄 Dさん(50歳)は、宣教会のソウル本部まで尋ねて行って、長牧師に息子の居場所を教えてくれと言ったが、「私たちにはわかりません。多分、異端の宗教にはまったのではありませんか」と責任を否認したと言う。そのとき、息子P君の行方がわからなくなってまだ10日位しか立っていなかったから、その短い時間にどうやってほかの宗教にはまって家出するまでになるのかと、反発している。「すぐ直前まで、この宣教会が海外留学に送ってくれるからと、親の許諾を要求した息子だ。家出の原因にこの宣教会が関与していることは間違いない。責任を回避し続ける場合は、公権力の力を借りる」とDさんは強い意志を見せた。
一方、企業による問題の外に、宗教活動と教育内容にも、一つ二つ不審な部分が見える。正統教会が異端として断定しているJMS(摂理)と統一教会がよく使う用語が登場するとか、会員たちの聖書理解と信仰観が、既成教会と一部食い違う面があるということだ。一会員が聖書講義を受けて書いた、少ないように見えるノートには、「摂理」「家族」などの用語が頻繁に使われているし、各地域センターでは、正式な神学教育を受けていない幹事たちが、直接礼拝を導いて、説教まで引き受けていて、問題の原因を作っている。会員の中には、教会で日曜の礼拝を守る場合は珍しくて、ほとんどがセンター内の教会に出席しており、地域教会との葛藤も一部で見えている状態だ。その中のある学生は、ここで学んだ内容を人々に言えば、異端と言われてしまうから、絶対に外部では秘密にしていると言い、長寿陣牧師だけが真の牧師で、残りの既成教会の牧師たちは偽りの牧師だという極端な意見を述べた。彼と交わした一問一答を取りまとめて見る。
(1) どうして他の人に、宣教会で学んだ内容を言うことをはばかるのか?
まだ時期が早いからだ。すなわち、神様の摂理が完成されて、私たちが世の中に晴れて宣布できる時が来る。それ以前には、人々に知らせてはいけない。聖書にも、真珠を犬に投げるな、と言われている。
(2) その時期というのが、いつを意味するか、具体的に決まっているのか?
そうだ。その時は2000年だ。ヤゴブがラバンの家で 7年間の使役を完成したように、私たちも宣教会が始まった 1994年から計算して 7 年目になる2000年までの間に、摂理の道を歩くために、当然の苦難の償いを受けることになる。その時になれば、すべての人々が私たちに沿うようになるはずで、私たちがいただいた本当の真理を、世の人たちに晴れて宣布することができるようになる。
(3) 摂理を完成するということは、成功的な経済活動を意味するのか?
そうだ。自動販売機の事業をすること自体が、神様の摂理を完成する重要な過程だ。牧師様(長寿陣牧師を指す)も、摂理の道を歩くために、初めは私たちのようにこんな苦難を経験した。私たちは、真の牧師である牧師様にそのままついて行かなければならない。牧師様は 2000年まで7年間の苦労をすることで、キリストが初臨で失敗して積もった神様の恨みを晴らして上げて、私たちも、その間の苦労の償いを受ける時が終わるまで、我慢して耐えなければならない、と言った。
会員たちの無賃金労働による企業拡張 長氏の主張したところとは違い (株)セヒャングは、JFC宣教会と同一団体だった。長氏の聖書講義の内容を代わりに講義して伝道を担当する幹事 5人を除いて、残り90人の会員たちは、残らずみんなチョコレート自動販売機の販売事業に配属されている状態である。長氏が教会であると紹介した全国各センターは、事実上 (株)セヒャングの支社に違いない。長氏は企業を創立して以降、20代の年若い青年たちの宣教を支援するという名目の下に、朝7時から夜12時まで労動をさせて、自分の事業拡張の道具として利用して来た。これらの事業規模は、年間売上高が10億ウォンを超えていて、中小企業の水準に追い付いている状態だ。長氏は (株)ヘテ製菓で製造するチョコレートと専用自動販売機を、全国のゲームセンターとビリヤード場などの遊技場に設置し供給する (株)セヒャングの経済活動に、会員たちの献身を強要していて、一日500万ウォンから1,000万ウォンの収入をあげている。現在設置されている自動販売機は、全国で1万3千700台に達し、これらは一箱当たりの原価が1,800ウォンに過ぎないチョコレートを、全国のゲームセンターやビリヤード場などの遊技場に3,000ウォンで販売して、大きな利益を得ていることがわかっている。
これ以外にも会員たちは、毎日都心の電車駅を中心に、市内の繁華街を通り過ぎる市民たちに、このチョコレートを 2,000ウォンから3,000ウォンの分量で包装して直接販売する特別販売活動までして、割り当てられた目標額を満たすために頑張っている。特別販売品目はチョコレートのみならず、水晶米、オーディオ、アクセサリー、ごま、油などであり、甚だしくは、日本や中国などから密輸をして来て、国内で露店や屋台をするなど、不法行為まで厭わず行っている。そして、1994年から1995年頃、チョコレート事業を始める直前には、カフェの路頭などで、定価200ウォンのチョコレートを1000ウォンで売りながら、夜学生や恵まれない隣人を助けるための募金活動であるとして、市民を欺いたりした。主にビリヤードとゲームセンターの主人たちは、「収益金を不遇な隣人への助け合いに使う」という言葉にだまされて、自動販売機の設置を承諾した場合が多くある。このようにして、(株)セヒャングの経済活動は、今年100億ウォンの目標を立てるまでになった。
一方、会員たちは、宣教を支援するという名目の下に、甚だしくは日曜日の深夜まで普段と違わないつらい労動を続けて来ている。主にワゴン車に乗って全国を巡回しながら集金活動をして来た会員たちは、過労によって寝不足現象に苦しんでいて、このことが健康を壊すのはもちろん、居眠り運転の原因になって、生命が脅かされた状態で走り続けている。実際に居眠り運転によって重軽傷を負った場合が20余件に達するが、手足に骨折を負う例などは日常茶飯事で、甚だしくは女子学生たちまで頭が割れて九死に一生を得て蘇生した例もあると言う。割り当てられた目標額を満たすことができなければ、個人の金を都合つけて埋め合わせなければならないため、銀行の貸し出しを受けて、親を欺いて、預金の全額を集金に充当する会員たちも多数いることがわかっている。
しかし、これらの献身的な努力と奉仕に対する対価は、全然ない。長氏は、事業設立以来、正社員やパートタイマーに対して、法律で規定された賃金を正常に支給したことは、ただの一度もなかった。会員たちが長氏からお金をもらった場合は、集金や伝道の実績が良い時に、個人的に支給される 10万ウォンから50万ウォン内外の褒賞金が、一二回ぐらいだった。もちろん、個人の小遣いが必要な時は、いつでも多少は使えるという原則があることはあったが、朝早く出かけて夜おそくまで働くという、私生活が絶対に不可能な構造の中では、個人の小遣いが必要になるわけがなく、事実上は形式に過ぎなかったという。
正社員がこんな状況の中で、アルバイト学生たちが賃金を受け取れるはずがない。主に学校の休み期間などを利用して集金活動をするアルバイト学生たちは、一時間当り2,500ウォンもらう規定になっていたが、実際は一銭も受けることができない場合が日常茶飯事だったという。
「地域センター長たちは、随時に他の地域への転任令を受けた。ひとつの地域に腰を据えるようになると、全くの未開拓の場所に異動になって、別の地域を耕すよう指示された。そうであると、アルバイト学生たちは、お金を受け取る道があいまいにされてしまう。働いた地域には、もう他の幹事が来ているから、事情を話しても、前の幹事の責任だとして回避され、やっと前の幹事が転任した先のセンターを尋ねても、大部分が外部活動をしているのだから、幹事に会うことができないのみならず、初めからそんな人などいないと、白を切られることもある。」
これに加えて、長氏は、会員たちの中に、以前に他の宗教を信じるとかキリスト教を信じた経験がない人々を、「異邦人」と呼んで、「経済活動の肥やしとなって、忠誠を尽くさなければならない」という規定を作っておいて、宣教部やその他の業務には全然参加することができないようにして、ひたすら経済活動だけに忠誠を尽くすことを指示し、他の会員より何倍もつらい労動に苦しむようにしている。
現在、これらの企業活動は、国内のみならず海外まで舞台にしている。「世界を見る」という意味の SESIという単語を、各企業の名称の前に付けて呼ぶようにした長氏は、初めには(株)セヒャング(世の中の香りという意味)を設立して、自動販売機の販売を主力事業として育てた。次に、J&J(JOY & JOY、 JESUS & JESUS、喜び二倍、キリスト二倍という意味)で消臭芳香剤の販売業を引き継ぎ、SESI留学センター及びSESI NETという通信会社まで従えている状態だ。このうち、海外の企業の(株)セヒャングと SESI NETは、フィリピン大学に支社を設置して、インターネットのプロバイダーを運営し、使用料を取って収益をあげている。
このような事業方式は、過去に統一教会が信徒たちに、空気銃の外販をさせて、タコ足式で企業を拡張した方式と非常に似ている。JFC会員たちも同じく宣教を目的として、直接に自動販売機を販売し、集金活動をしながら、長氏の事業を繁栄させことに力を注いでいるのだ。普段、幹事以上の会員たちは、長氏に毎日、集金現況とセンター運営全般を一つ一つ報告しているし、特にファックスを通じて信仰生活(QT)と報告書をあげて、個人的な心理状態、身近な私生活まで隠さずに長氏に知らせることを、非常に重要に思っている。
自称メシア 統一教会の文鮮明教主は、韓国内だけでも約 300か所余り、外国に120か所余りの聖地(1994年現在)を策定していることが知られている。文鮮明氏が聖塩を振り撤いて祈った場所は、表示を立てておいてから、後で必ず買い入れるために、主に山地の良い場所を選択するのが原則だ。その場所は、神様の地であり、祈る場所であって、必ず買い入れなければならないという不文律があるからだ。長寿陣氏の場合も同じだ。長氏は、国内大学に学生たちがたくさん集まる場所や、風水地理的に見て美しい場所を尋ねて、自分が祈った場所だと言って、「聖地」に指定している。会員たちと巡回して場所を探すのは、長氏が自分の祈った場所 (聖地)に、将来宣教会の事務室が入居すると予言して、特に該当する学校に通う学生たちには、一日に一度ずつその場所に必ず立ち寄って、真心を込めて祈りを積み重ねることを指示した。現在、啓明大学と大邱大学を含めて、全羅慶北慶南など隣近大学に、これらの聖地があると言う。
JFCと統一教会とJMS(摂理)との関係 JFC 宣教会で一番目立つことは、摂理・家族・棒引きなど、いわゆる統一教会用語である。偶然にコンピューター・ネットワークに上がっていた統一教会の資料を見て、自分の団体とあまりにも似ていることに驚いたという一部会員たちは、「統一教会の信徒同士が使う言葉、文鮮明の教えの内容、行政組職まで、まったく同じだった」と、衝撃を隠すことができなかった。そして、統一教会から分派して出た JMSとは、甚だしくは教理中の引用聖書箇所まで一致していることを見つけてからは、驚きを禁じえなかった。こんな理由で、最近の会員たちが宣教会を脱退する例が続出しているし、深刻な精神的混乱を起こしてショック状態に陷っている場合もある。
長寿陣氏はその間、既存教会とJMSに対しては、辛辣に批判して来たが、統一教会に対しては、どんな反応も見せなかったという。文鮮明は異端だという言葉どころか、統一教会という言葉自体、口から出したことがないというのだ。 長氏のこのような態度が意味するところは、無関心でなければ、愛情であろう、と外から見なされることになるのだが、長氏が統一教会の骨髄中の骨髄の信者であるという点や、その事業の運営の仕方と教理体系には、統一教会色が色濃く現われているという点を考えると、それが無関心の表れだと見ることはむずかしい、という分析が可能になる。
特に、長氏とJMSは、お互いを天敵と思うほどに反感が強い関係だ。その理由は、長寿陣氏が1980年代後半にJMSの会員たちを多数離脱させた事があるからだ。長氏は引き続き、ホサナ宣教会を組織して、離脱会員たちを自分の会員に引き入れて宣教会を運営して来たのだが、普段から会員たちに、自分がJMSとの教理論争で堂々と勝利したという武勇談を語りつつ、JMSを明白な異端として強く批判して来たというのだ。
しかし、長氏の教理は、JMSの教理を模倣したような印象がありありと見える。 JFCの14段階の教理は、JMSの『30講論』に多くの部分が一致しているし、甚だしくは、例話までも一致するほどにそっくりな点が多い。それでも長寿陣氏は会員たちに、俗離山に通って神から直接啓示を受けた教えだと言いながら、教理の絶対性を強調して来たし、JMSの教理に似ている理由は、JMSの会員が自分たちの団体の聖書講義ノートを盗んで、そのまま教理を適用させたからだと話して来た。しかし、JMSの教理を直接確認して来た会員たちは、「まるで一教派が少しずつ先に進んでいるような印象が漂っている。統一教会の教理を基本原則に敷いて、その次にJMSの鄭明析氏がそれなりに発展させ、その上で長寿陣氏が服を着せ発展させている、という感じがする」と分析している。
それに、長寿陣氏は、自らを過度にほめそやす点についても、鄭明析氏の手法をそのまま借りている。鄭明析氏は自分を「一千の霊の守護を受けている特別な存在だ」と言って来たが、長寿陣氏も自分が聖書講義をすれば、若者たちが何千人も群がって来るほどの実力者だという事実を誇るというのだ。長氏は、若者たちに自由自在に出入りするだけでなく、神から直接啓示を受けて、特別な悟りを伝えることができると言って、会員たちを惑わして来た。また、既存教会で教える神の教えはすべて偽物で、自分だけが本当の神の教えを受けた、完全な使命を保持する真の牧師だと言いながら、会員たちに教えて来た。
長氏の教理は、アダムとエバが蛇の誘惑で性関係を結んで堕落し、天国の完成に失敗した、という主張で始まる。第二のアダムであるキリストが、未完成の天国を完成するために世の中へ来たが、洗礼者ヨハネがイエスを嫉んで、メシアであるキリストを伝える使命を果すことができなかったために、キリストが自らメシアと主張しなければならなくなり、その途中でユダヤ人に捕らえられて、悲惨な目に遭ったというのである (その過程で、キリストが人類の罪を贖うために来た救世主であるという事実を否認する)。だから、第三のアダムである再臨のキリストが、未完成の天国をこの地上に完成するために、初めて出現するというのだ。しかし、再臨主は、雲に乗って来るのではないと言う。雲は実物ではなく、「雲のようなあまたの証人」に対する暗示的な表現であって、再臨主は人の息子として生まれる、という主張を展開する。すなわち再臨主は、もうこの世の中に来ているし、特別な聖書講義と摂理(仕事、使役)によって、この地上に天国を建設している人々の中にいる、と言うことによって、その再臨主がすなわち自分であることを、間接的に暗示している。長氏はこの部分で、宣教会の会員たちにはメシアを証しする使命があり、自分には天国を完成する使命がある、と教えて来た。その結果、実際に会員たちの大多数が、長寿陣氏をメシアと信じている。一部の幹事たちの間ではもう、「牧師様がメシア」という事実が通用しているし、会員たちに秘密に教育させている。彼らは、長寿陣氏がメシアであるという事実をすぐ理解した会員たちには、「霊的な感覚が優れている」と言って、ほめ言葉を惜しまない。しかし、いまだに長寿陣氏は、自分がメシアだという事実が、全体の雰囲気の中で公式に認められることには、はばかっている様子だ。核心的な幹事たちには、「誰にも話してはいけない。耳ある者たちは聞きなさい」と言いながら、厳しい取り締まりをしているが、しかし、自分がメシアだという基本的な立場には変わりがない。
「長牧師は、本当のキリストは自分の口で直接メシアだとは言わない、と言った。そして、キリストが死んだ理由は、弟子たちがキリストをメシアとして伝えなかったから、キリストが自分で直接メシアであることを知らせなければならなくなり、その途中で、使命を終えることができないまま死んでしまった、と言った。私たちの方を見て、だから、メシアを証ししなければならない、と言った。この言葉は、一部の幹事たちの間では、『牧師様を証ししなさい』という言葉によって、直接表現されている」
一会員の証言は、特に事業拡張に熱をあげる長寿陣氏が窮極的に狙うものが何であるかに、見当をつけさせるものである。それは、JMSの鄭明析を引き継ぎ、もうひとりの「文鮮明」を夢見ているのであろうと思われる、というのだ。しかし、惜しくも、長氏の霊的な父に違いない文鮮明は、このような長寿陣氏にそっぽを向いている。ドンキホーテと違わない突発的な行動で頭を腐らせて来たという長氏が、もし文鮮明の名前を売るとか、名誉に損傷を加えるような所業をする場合には、文鮮明師はじっとしていないだろう、というのが、統一教会側の公式な立場である。したがって、長氏が今後も継続的に統一教会との関係を結ぶかどうかは未知数だ。しかし、統一教会の教理と行動に水をあけても、長氏が巨大な宗教企業を成そうと目指している働きには、文鮮明とその弟子である鄭明析氏から学んだノウハウが全て発揮されていることは、間違いない事実だ。
『月刊現代宗教』1997年11月12月合併号
ハンビット大学宣教会(JFC)の長寿陣(張在亨)氏と摂理(JMS)の鄭明析氏との関係サイト
「JMSの裏-摂理の裏」より記事「JMS前身 愛天教会と"新村5兄弟"」から
ACMの前身であり、CEFの前身である「ハンビット大学宣教会」(JFC)については、ダビデ張在亨氏が「長寿陣」という別名を使って設立し活動していたことを、韓国『月刊現代宗教』が報じていた。その記事では、ダビデ張氏は摂理(JMS)の鄭明析氏とライバル関係にあったと述べられている。
摂理告発サイトでは、さらに、『月刊現代宗教』28周年企画記事を引用するかたちで、次のように述べている。
1981年には統一教会で学生達を募集して日本に行った事があった。その時は、海外に行くということは大きい特権だった。この時会った人が、ハンビット大学宣教会の長寿陣(『現代宗教』 97年 10・11月号 報道)だ。日本に行ってきてから、われらはものすごく張り切った。前者があの位なら、後者であるわれらはものすごく大きくなるだろうと考えた。当時には、私達が統一教会の分派という認識があった・・・。
・・・当時、統一教会で大学布教団体に偽装した ICSA(International Cristian Student Association)という団体を作ろうとした時、JMS(摂理)を主軸としようとしたが、清平にある修養館で、鄭氏が管理する団体ということがばれて、解消された・・・。
こうして、一度は立ち消えになったかに思われたICSAだが、韓国『ニュースエンジョイ』の記事によれば、その後、ダビデ張在亨氏が文鮮明氏から抜擢され、任務を引き継いで、ICSAを設立して、その事務局長に就任した、と述べられている。すなわち
原理研究会と大学巡回伝道団で活動した張牧師は、1982年に「国際基督学生連合会」(ICSA)に舞台を移す。この時の状況について、『今日の摂理の歴史』は、「1982年10月、文鮮明先生の帰国と同時に手沢里迎賓館で全国の学士長が集まった中で、国際基督学生連合会を独立組織として分離することが命じられ、当時原理研究会の学士長を務めていたに張在亨、イゼホング、衛星嶺ら三名が国際基督学生連合会に任命され、活動を開始した」と述べている。
『文鮮明先生古希記念文集11』は、当時の状況をこう伝えている。「1980年の冬休みに、基督学生招請原理修練会を開催して、1981年夏まで二回にわたって日本訪問を終えたキリスト者学生たちと、原理研究会の張在亨、イゼホング、衛星嶺ら三名の学士長が、国際基督学生連合会の創立メンバーとなって、発起人会および設立準備委員会を組織し、国際クリスチャン教授協議会と協力して、韓国で国際基督学生連合会(ICSA)を結成することになり、志を共にするキリスト者学生たちの積極的な応答を受け、1981年11月14日にソウルで創立総会を開催した」。
国際基督学生連合会が掲げた創立目的は「教会一致運動」「預言者運動」「キリスト教徒に火を灯す」「平和を具現する愛の共同体」などだった。しかし、内実をよく見れば、文鮮明教主の影響があちこちに出ていた。「イデオロギーの昏迷の中にある大学生に、宇宙的視野を与えるため」に開設したという「理念教室」のプログラムには、「文鮮明先生と統一思想」のテーマが含まれていることが、これを証ししている。(「クリスチャントゥデイに転載された張在亨氏の統一教会関連疑惑」より)
さらに興味深いことに、摂理(JMS)の鄭明析氏と、ハンビット大学宣教会(JFC)の張在亨(長寿陣)氏とは、ライバル関係にあった、ということである。『月刊現代宗教』は、この点について、こう述べていた。
・・・長氏とJMSは、お互いを天敵と思うほどに反感が強い関係だ。その理由は、長寿陣氏が1980年代後半にJMSの会員たちを多数離脱させた事があるからだ。長氏は引き続き、ホサナ宣教会を組織して、離脱会員たちを自分の会員に引き入れて宣教会を運営して来たのだが、普段から会員たちに、自分がJMSとの教理論争で堂々と勝利したという武勇談を語りつつ、JMSを明白な異端として強く批判して来たというのだ・・・。
・・・長氏の教理は、JMSの教理を模倣したような印象がありありと見える。 JFCの14段階の教理は、JMSの『30講論』に多くの部分が一致しているし、甚だしくは、例話までも一致するほどにそっくりな点が多い。それでも長寿陣氏は会員たちに、俗離山に通って神から直接啓示を受けた教えだと言いながら、教理の絶対性を強調して来たし、JMSの教理に似ている理由は、JMSの会員が自分たちの団体の聖書講義ノートを盗んで、そのまま教理を適用させたからだと話して来た。しかし、JMSの教理を直接確認して来た会員たちは、「まるで一教派が少しずつ先に進んでいるような印象が漂っている。統一教会の教理を基本原則に敷いて、その次にJMSの鄭明析氏がそれなりに発展させ、その上で長寿陣氏が服を着せ発展させている、という感じがする」と分析している・・・。
・・・長寿陣氏は、自らを過度にほめそやす点についても、鄭明析氏の手法をそのまま借りている。鄭明析氏は自分を「一千の霊の守護を受けている特別な存在だ」と言って来たが、長寿陣氏も自分が聖書講義をすれば、若者たちが何千人も群がって来るほどの実力者だという事実を誇るというのだ・・・
このように、「天敵同士」と表現される張(長)氏と鄭氏だが、80年代以降の二人の歩みは、どことなくシンクロナイズしているところがある。80年代に、張氏は基督教大韓監理会保守(メソジスト保守)の牧師になったと言われており、さらにその上で、
宝林産業株式会社専務という立場で、大韓イエス教監理会(イエス・メソジスト)の学校法人聖化学院に接近し、陰謀的工作をめぐらして、同学院を統一教会に引き渡し、鮮文大学とした。『鮮文大学設立30年史』では、張氏は「鮮文大学設立の功労者」と謳われている。一方、摂理(JMS)の鄭明析氏も、1983年にメソジストの牧師となり、ウェスレー神学院を設立し、基督教大韓監理会真理という摂理系メソジスト教団を設立している。
張氏の場合、
聖化神学校をめぐる陰謀的工作の一件で、メソジストから目を付けられたのに加え、ハンビット大学宣教会の異端嫌疑が1997年に教界で報道されたことから、追及を逃れるために名称をCEFに変更し、その過程で改革長老派系の大韓イエス教長老会合同(旧国際合同福音B)の牧師となったのだが、しかし、そこまでに至る80年代の張氏と鄭氏の「動き」は、実によく似ている。
この点、ライバル関係にあった両者が、その対抗意識から、あえて類似のフィールドを選んだのか、あるいは、キリスト教界への食い込み活動の入口拠点としてメソジストを使うよう、明白な「上」からの指示があったのか、今後の研究が待たれるところである。
なお、参考までに、韓国には以下のメソジスト系教団があることを付記しておく。
1.基督教大韓監理会
2.基督教大韓監理会ウェスレー総会
3.基督教大韓監理会中央会
4.基督教大韓監理会国際総会
5.イエス教監理会ウェスレー総会
6.基督教大韓監理会自由総会
7.基督教大韓監理会保守総会
8.基督教大韓監理会連合
9.基督教大韓監理会合同
10.基督教大韓監理会統合
11.イエス教監理会(聖化学院)
12.基督教大韓監理会真理(摂理系)